FAXの監査ログで何を記録すべき?
送受信・閲覧・設定変更の確認項目
「送信成功」「受信日時」だけでは、誰が原本を見たか、転送先を変えたか、APIが二重実行されたかを追えません。FAX業務の監査では、通信履歴に加えて認証、閲覧、設定、外部連携を同じ処理へ結び付ける必要があります。
先に結論
- 送受信履歴と操作監査ログを分けて確認する。
- 「誰が・いつ・どこから・何を・どうした・結果」を記録する。
- FAX、OCR、API、外部保存を相関IDでつなぐ。
- 保存年数だけでなく、改ざん防止・検索・出力・時刻も確認する。
送受信履歴と監査ログの違い
送受信履歴
宛先・送信元、開始・終了日時、ページ数、成功・失敗、通信エラーなど、FAX処理の結果を確認する。
監査ログ
ログイン、原本の閲覧・取得・削除、利用者・権限・転送先・APIキー変更など、サービス上の行為を確認する。
誤送信の原因調査には両方が必要です。送信履歴で宛先と結果を確認し、監査ログで誰が作成・承認・再送したか、宛先設定がいつ変わったかを追います。
記録したいイベント
| 領域 | 主なイベント | 分かること |
|---|---|---|
| 認証 | 成功・失敗、MFA、SSO、復旧、セッション失効 | 侵害の入口と不審な試行 |
| 利用者・権限 | 追加、停止、ロール、IP制限、APIキー | 誰が閲覧・送信可能になったか |
| FAX | 作成、承認、送信、受信、再送、取消、失敗 | 通信処理の経緯と重複 |
| 原本 | 閲覧、ダウンロード、共有、削除、復元 | 情報へ触れた人と持ち出し |
| OCR | 投入、抽出、修正、承認、エラー | 人が変えた項目と基幹登録前の判断 |
| API・外部連携 | 要求、結果、再試行、Webhook、保存先 | 自動処理の重複・欠落・接続元 |
| 設定 | 通知先、転送先、保存期間、認証・監査設定 | 事故前後に変わった条件 |
各ログに必要な項目
- 時刻:タイムゾーンを明示し、複数システムの時計を同期する。
- 組織:テナントや契約組織を識別する。
- 操作者:人、管理者、APIキー、連携サービスを区別する。
- 接続元:IP、クライアント、認証経路などを記録する。
- 操作と対象:FAX、文書、設定、利用者などの識別子を残す。
- 結果:成功だけでなく失敗、拒否、エラー理由も残す。
- 変更内容:権限や転送先などは、何が変更されたかを追えるようにする。
- 相関ID:FAX受信からOCR・API・外部保存まで同じ処理をたどれるようにする。
原本の内容や認証情報をログへ過剰に書くと、ログ自体が新たな機密データになります。追跡に必要な識別子と結果を残し、FAX本文、パスワード、API秘密値は記録しない設計が基本です。
事故別に見るログの使い方
誤送信
宛先入力、承認、送信、再送の操作者と時刻を確認し、マスター変更やAPI要求までさかのぼる。
不審な閲覧・大量取得
認証元、閲覧・ダウンロード件数、権限変更、同一セッションを確認し、必要ならアカウントとAPIキーを失効する。
APIの二重送信
要求ID、冪等性キー、再試行、FAXジョブID、結果を関連付け、利用者操作との重複を切り分ける。
退職者アクセス
停止日時、SSO割当、既存セッション、ダウンロード、共有先を確認し、無効化漏れを特定する。
保存期間・改ざん防止・取り出し
NISTのログ管理ガイダンスは、組織全体でログを生成・転送・保存・分析・廃棄するプロセスを整える考え方を示しています。年数だけでなく、次の条件を確認します。
- 通常のサービス管理者が監査ログを変更・削除できないか。
- 保全先への転送に失敗したとき、検知・再送できるか。
- 検索に必要な期間を画面で確認し、必要に応じCSV等で出力できるか。
- 出力後もアクセス制御、保管期限、廃棄手順を適用できるか。
- 法令、契約、内部統制、事故調査の要件から保存期間を決めているか。
「7年」などの年数がすべてのFAX事業者に一律で適用されるわけではありません。扱う文書の法的保存義務と、サービスの監査ログ保全期間を分けて確認します。
SP-FAXの現在の提供範囲
SP-FAXでは、認証、設定・権限変更、API、FAX、OCRの操作を監査対象とし、監査ログを日次でS3 Object Lockへ保全して7年間保持します。監査ログのCSV出力は標準提供です。
監査WebhookやSIEMへの自動連携は今後追加予定であり、現時点の標準提供ではありません。また、7年保全はSP-FAXのサービス仕様で、顧客文書の法定保存期間を代替する説明ではありません。最新の提供状況はセキュリティと信頼性で確認できます。
アカウント侵害を抑えるにはMFA・SSOの設計、外部保管を含む権限追跡にはSharePoint自動保存の設定も合わせて確認してください。
参考資料
よくある質問
Q. FAXの送受信履歴と監査ログは同じですか?
異なります。送受信履歴は通信結果が中心ですが、監査ログはログイン、閲覧、ダウンロード、削除、権限や設定変更、API操作まで追跡します。
Q. 監査ログには何を記録すべきですか?
日時、組織、操作者、接続元、操作、対象、結果、変更内容、関連IDを基本に、FAX・OCR・APIの処理を関連付けます。
Q. ログは何年保存すべきですか?
一律の年数ではなく、法令、契約、内部統制、インシデント調査の要件から決めます。SP-FAXの7年保全はサービス固有の提供内容です。
Q. SP-FAXの監査ログは出力できますか?
標準でCSV出力できます。監査WebhookやSIEMへの自動連携は今後追加予定で、現時点の標準提供とは区別しています。
必要な証跡を導入前に確認する
記録対象、7年保全、CSV出力、今後追加予定を分けて公開しています。
監査の提供状況を見る