導入ガイド

ランサムウェアでバックアップも消される?FAX原本と監査ログの守り方

SP-FAXのサービスイメージ

バックアップも、書き換え・削除の権限があれば被害を受ける

ランサムウェアへの備えでは、コピーを取ることに加え、侵害された端末や管理者から、そのコピーを変更・削除できるかを確認します。同じ権限で原本もバックアップも消せるなら、保存先を増やすだけでは十分な分離になりません。

IPAの「ランサムウェアの脅威と対策」でも、常時接続した媒体への影響や復元確認の必要性を説明しています。この記事は、クラウドFAXの原本と監査ログについて、世代管理・権限分離・保持ロック・復元試験をどう使い分けるかを整理します。提供状況の確認日:2026年10月15日。

FAX原本、DB、監査ログは別々に守る

「バックアップあり」という説明を受けたら、対象を具体化します。DBを戻せても、原本PDFがなければ注文内容を読めない場合があります。監査ログが残っていても、原本を復元する代わりにはなりません。

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業務再開に必要な情報の分け方
対象必要になる場面確認したいこと
FAX原本PDF・画像受信内容の再確認、OCR結果との照合対象文書、戻せる版、削除権限、保持の条件
DB・業務台帳組織、文書、送受信結果の関係を復元戻せる時点、原本との対応、再処理の扱い
監査ログ侵害・誤操作の調査、変更の追跡記録範囲、改ざん防止、検索・取得方法
設定・復旧手順必要な接続や業務を安全に再開設定の復元、担当者、再開前の確認項目

保存期間を決めるときは原本・メール・バックアップの保存と削除を参照してください。本記事は「何年残すか」ではなく、「侵害時に残した情報を壊されずに戻せるか」に焦点を絞ります。

世代管理・権限分離・保持ロックの違い

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それぞれの対策が担う役割
対策役割残る確認点
世代管理変更前の版を残し、誤更新から戻す。旧版を含めて消せる主体、旧版の期限を確認する。
権限・管理境界の分離通常業務の資格から保全先への操作を制限する。同じ管理者が境界を越えられないか、復元権限が使えるかを確認する。
保持ロック指定した対象と期間で変更・削除を制限する。対象の版、保持モード、例外権限、期限を確認する。
復元試験残した情報を読めて業務へ戻せるか確かめる。原本だけでなく台帳との対応や再送判断も確認する。

これらは代替関係ではなく、組み合わせる対策です。例えば、過去版があっても管理者が全版を削除できれば削除耐性は足りません。逆に、消せなくても、暗号鍵や復元手順を使えなければ業務へ戻せません。

Amazon S3 Object Lockの公式説明では、保護はオブジェクトの各バージョンに適用されます。COMPLIANCEモードとGOVERNANCEモードでは解除できる権限の条件も異なります。「ロック機能がある」だけでなく、実際の保持設定と適用対象を確認する必要があります。

復元試験は「完了」の表示から、内容の照合まで

架空の試験例として、テスト専用の原本10件と、それを参照する台帳を復元する場合を考えます。実在する顧客文書を公開資料に使わず、次の確認結果を残します。

  1. 時点:どの時刻の原本とDBを戻したか。両者の時点差はどこにあるか。
  2. 対応:台帳の各文書を開けるか。別組織の文書と混ざっていないか。
  3. 内容:件数に加え、代表ファイルの内容やハッシュを元データと照合できるか。
  4. 権限:復元先を通常業務から隔離し、必要な担当者だけが確認できるか。
  5. 再開:処理済み・未処理・送達不明を分け、二重送信せずに戻れるか。

これは試験の設計例であり、当社の10件の実測結果ではありません。また、一度測ったDBの復元時間を、FAX通信基盤を含む全障害の復旧保証に使うこともできません。

SP-FAXの監査ログ保全と、FAX原本の現在地

SP-FAXのセキュリティ機能一覧では、次の範囲を分けて公開しています。

  • 実施済み:FAX文書の暗号化とS3のバージョン管理。
  • 実施済み:アプリケーション監査ログを日次でObject Lockへ出力し、7年間保全。
  • 実施済み:DBの自動バックアップと特定時点復元、切替・復元訓練。
  • 未提供:FAX原本の別AWSアカウント・削除不能バックアップ。

監査ログの7年保全は、FAX原本を7年間削除不能にする仕様ではありません。原本の削除耐性を高める設計・導入検討があることと、本番で提供済みであることも別です。未提供の保全が必須条件であれば、導入判断の前に確認が必要です。

履歴の読み方は監査ログのガイド、継続的な改善はセキュリティ改善履歴で確認できます。

事業者へ確認する5つの質問

  • DB、FAX原本、監査ログのどれをバックアップしていますか?
  • 通常の管理者資格を奪われた場合、保全先まで削除できますか?
  • 保持ロックの対象・期間・モードと例外権限を確認できますか?
  • 復元試験はいつ、何を対象に行い、内容まで照合しましたか?
  • 契約終了・削除依頼と、保持中のバックアップをどう扱いますか?

保持ロックは削除の要求と調整が必要になるため、長いほど良いとは限りません。必要な保存期間と削除条件を合意し、その条件を満たす設計を選びます。

よくある質問

暗号化していればバックアップは消されませんか?

暗号化は内容の保護であり、削除権限とは別です。削除できる主体と保持設定を確認します。

別のアカウントに置けば十分ですか?

管理権限の引受経路や保持設定も確認します。同じ資格で保全先を操作できれば分離が弱くなります。

SP-FAXは原本も監査ログも削除不能ですか?

監査ログはObject Lockで保全しています。FAX原本の別アカウント・削除不能バックアップは未提供です。

必要な保全条件を決めて、FAX導入へ

原本と監査ログの提供範囲を確認し、自社の条件と照合してください。

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