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FAX DMは違法? BtoB営業FAXと特定商取引法・送信ルールの実務

FAX DMは違法? BtoB営業FAXと特定商取引法・送信ルールの実務
本記事は2026年6月時点の一般的な情報の整理であり、法的助言ではありません。個別の案件については、弁護士など専門家にご確認ください。

この記事の要点

  • 事業者間(BtoB)の営業目的のFAX広告は、特定商取引法の「ファクシミリ広告のオプトイン規制」の対象外と整理されている。
  • ・一方、消費者(BtoC)に対する通信販売のFAX広告は事前同意(オプトイン)が必要。送る相手で扱いが変わる。
  • ・対象外でも、広告である旨の明記・送信停止の連絡先・停止依頼への速やかな対応は実務として必須。トラブル回避の基本。

FAX DMは違法なのか — 結論

「FAX DMを送るのは違法では?」とよく聞かれますが、結論から言うと、事業者間(BtoB)の営業を目的としたFAX DMは、ただちに違法になるものではありません。実際、多くの企業がBtoBの販促手段としてFAX DMを継続的に利用しています。

ポイントは「誰に送るか」です。送る相手が事業者か消費者かで、適用される規制が変わります。

送信先 特商法のFAX広告オプトイン規制 扱い
事業者(BtoB営業)原則対象外オプトイン規制は原則対象外※「無条件で適法」という意味ではありません。送信停止対応・個別事情・他法令リスクの確認は必要
消費者(BtoC通信販売)対象事前同意(オプトイン)が必要

※ 個人事業主など、相手が「事業者」か「消費者」か判断しにくいケースもあります。迷う場合は安全側に倒し、停止依頼に確実に応じる運用にしておくのが無難です。

特定商取引法のFAX広告オプトイン規制とBtoBの関係

特定商取引法には、通信販売事業者が消費者に対して行う「ファクシミリ広告」について、あらかじめ承諾を得た相手にしか送ってはならない、というオプトイン規制があります。これは特定商取引法第12条の5(承諾をしていない者に対するファクシミリ広告の提供の禁止等)で、平成29年(2017年)12月に施行された改正で追加されました。電子メール広告のオプトイン規制(第12条の3)と同様の枠組みで、注文していない広告FAXで消費者の用紙・インクを一方的に消費させる迷惑行為を防ぐためのものです。所管は消費者庁です。

この規制には例外も定められています。たとえば、相手方の請求に基づいてファクシミリ広告を送る場合や、契約の申込み・成立・履行に関する重要事項を通知するのに付随して広告する場合などは、承諾がなくても規制違反にはなりません。

規制が想定しているのは「通信販売×消費者」

この規制は、通信販売における消費者向けのFAX広告を念頭に置いたものです。事業者間の営業目的のFAXは、この通信販売のファクシミリ広告規制が直接対象とする場面とは異なる、と一般に整理されています。だからこそBtoBのFAX DMは広く行われています。

とはいえ「対象外だから何をしてもよい」という意味ではありません。後述のとおり、相手に過度な負担をかけない配慮や、送信停止への対応は、法律以前のビジネスマナーとしても、また別の法令(不法行為・業務妨害等のリスク回避)の観点からも欠かせません。

関連する他の法律との違い

FAX DMを考えるとき、混同されやすい近接の法律を整理しておきます。「迷惑メール(スパムメール)の規制」とFAXは別の法律です。

法律 対象 FAX DMとの関係
特定商取引法 第12条の5通信販売の消費者向けFAX広告消費者宛は事前同意が必要。BtoB営業は対象外と整理
特定電子メール法(迷惑メール防止法)広告宣伝メール対象は電子メール。FAXは含まれない
個人情報保護法個人を識別できる情報法人情報は原則対象外。個人事業主等は該当し得る
景品表示法広告の表示内容原稿の優良誤認・有利誤認表示を禁止

よく聞く「特定電子メール法(オプトイン)」はメールの規制で、FAXには適用されません。FAXのオプトイン規制は上記の特定商取引法(通信販売・消費者向け)が該当します。

対象外でも守るべき実務ルール

BtoBのFAX DMでも、次の3点は必ず守ってください。これを外すと、クレームや「送るな」というトラブルに直結します。

① 広告である旨を明記する

FAXが営業・広告であることが一目で分かるようにする。差出人(社名・連絡先)を必ず記載する。

② 送信停止の連絡先を載せる

「今後の送信を希望されない場合はこちらへ」と、停止依頼の窓口(FAX番号・電話・メール等)を明記する。

③ 停止依頼には速やかに対応する

「送るな」と言われた相手には二度と送らない。配信リストから確実に除外する運用を持っておく。

配慮しておきたい点

  • ・深夜・早朝の大量送信は避ける(相手の業務・用紙負担への配慮)
  • ・同じ相手に短期間で何度も送らない
  • ・1回の送信枚数を必要最小限にする(長尺FAXは負担とクレームの元)

個人情報保護法・景品表示法の注意点

FAX DMに関係しうる、もう2つの法令にも触れておきます。

個人情報保護法

会社名など法人そのものの情報は、通常は個人情報には該当しません。一方で、個人事業主や担当者個人を識別できる氏名・番号と結びつく場合は個人情報になり得ます。取得元が適法なリストか、利用目的の範囲かに注意します。

景品表示法

FAX原稿の表示そのものに関する規制です。実際より著しく優良・有利に見せる表示(優良誤認・有利誤認)は禁止。「No.1」「○%改善」などの根拠のない訴求は避け、誇大表現をしないことが大切です。

SP-FAXでの送信ルールの考え方

SP-FAXのFAX DM配信代行では、上記をふまえた運用を前提にしています。

  • ✅ 原稿には差出人と送信停止の連絡先を明記する前提で原稿づくりをサポート
  • 停止依頼があった宛先は配信リストから除外する運用
  • ✅ 宛先は実在する事業者の電話帳データをもとに用意(番号帯の総当たりはしない)
  • ✅ 送信先・内容について、トラブルになりやすい訴求は事前にご相談

※ 最終的な原稿表現・送信可否のご判断はお客様にお願いしています。表現の適法性に不安がある場合は専門家へのご確認をおすすめします。

よくある質問

Q. FAX DMは違法ですか?

A. 事業者間(BtoB)の営業目的のFAX DMは、特定商取引法のファクシミリ広告オプトイン規制の対象外と整理されており、ただちに違法になるものではありません。一方、消費者向けの通信販売のFAX広告は事前同意が必要です。

Q. 相手の同意なしに送ってもいいのですか?

A. BtoB営業のFAXは、特商法のFAX広告オプトイン規制(第12条の5)の直接の対象外と整理されることが多く、事前同意なしで送信されている実態があります。ただしこれは「無条件で適法」という意味ではありません。広告である旨と送信停止の連絡先を明記し、停止依頼には速やかに対応する必要があります。宛先の誤認・個別事情・他法令のリスクもあるため、最終的な判断は専門家にご確認ください。

Q. 送信停止を求められたらどうすればいいですか?

A. 以後その相手には送信せず、配信リストから確実に除外してください。SP-FAXでは停止依頼のあった宛先を除外する運用にしています。

Q. FAX DMを規制している法律は何条ですか?

A. 消費者向けの通信販売のFAX広告については、特定商取引法第12条の5(承諾をしていない者に対するファクシミリ広告の提供の禁止等)が事前同意(オプトイン)を求めています。平成29年(2017年)12月施行の改正で追加されました。BtoB営業目的のFAXはこの規制の対象外と整理されています。

Q. 迷惑メール防止法(特定電子メール法)はFAXにも適用されますか?

A. 適用されません。特定電子メール法の対象は広告宣伝メールで、FAXは含まれません。FAX広告のオプトイン規制は特定商取引法(通信販売・消費者向け)が該当します。

用語集

オプトイン規制
あらかじめ承諾(オプトイン)を得た相手にしか広告を送ってはならない、とする規制。FAX広告では消費者向けの通信販売が対象。
特定商取引法 第12条の5
通信販売における、承諾をしていない消費者へのファクシミリ広告の提供を原則禁止する条文。平成29年(2017年)12月施行。所管は消費者庁。
特定電子メール法
迷惑メール防止法とも呼ばれる、広告宣伝メールのオプトイン規制。対象はメールで、FAXは含まれない。
優良誤認・有利誤認
景品表示法が禁止する不当表示。実際より著しく良く見せる(優良誤認)、著しく有利に見せる(有利誤認)表示を指す。
BtoB(事業者間取引)
Business to Business。企業間の取引。消費者向け(BtoC)と区別され、FAX広告のオプトイン規制の適用関係が異なる。

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