導入事例

自社事例:自動車用品メーカーがFAX受注をAI OCRで自動化するまで

SP-FAXを開発している株式会社SPREADは、自動車用LEDライト「Sphere Light」ブランドを展開するメーカーです。自社の受注業務で毎日使いながら開発を続けているSP-FAX OCRについて、なぜ作ったのか、実際にどう使っているのかを画面付きで紹介します。

Sphere Lightとは

Sphere Lightは、自動車・バイク向けのLEDヘッドライトを企画・製造しているブランドです。主力製品の「RIZINGalpha」をはじめ、トラック用テールランプ、フォグランプなどを全国のカー用品店・整備工場・部品商社に卸売しています。

取引先は全国に数千社。中古車販売店、タイヤショップ、整備工場、二輪用品店など業態はさまざまで、取引先の多くが発注手段としてFAXを使っています。理由は単純で、整備の現場ではPCの前に座って発注システムを操作する時間がないからです。手元の注文用紙に品番と数量を書いてFAXで送る。これが今でも一番早い、という現場が多いのが実情です。

FAXで届く帳票はバラバラ

取引先から届くFAXは注文書だけではありません。代品依頼(不良品の交換依頼)、不具合報告シート、納期確認、在庫問い合わせなど、種類もフォーマットもバラバラです。

SP-FAX OCR結果一覧 — 注文書・代品依頼・不具合報告・納期確認など複数タイプが並ぶ

OCR結果一覧。「タイプ」列を見ると、order(注文書)、replacement_request(代品依頼)、defect_report(不具合報告)、delivery_inquiry(納期確認)など、さまざまな帳票が自動分類されている。

SP-FAX OCRはFAXを受信すると、まず帳票の種類を自動で判別します。注文書なら品番・数量・納品先を抽出し、代品依頼なら対象品番と不具合の内容を抽出する。帳票の種類によって読み取るべきフィールドが違うので、この自動分類が重要です。

取引先ごとに注文書のフォーマットが違うのも当たり前で、A社は横書きの表形式、B社は手書きのメモ、C社は自社システムから出力された帳票。従来型のOCRではフォーマットごとにテンプレートを登録する必要がありましたが、数千社分のテンプレートを作成・管理するのは現実的ではありません。SP-FAX OCRはAI(Gemini 2.5 Flash)がレイアウトを自動で理解するため、テンプレート設定は一切不要です。

読み取り結果を確認・修正する

OCRの読み取りが完了すると、担当者はレビュー画面で結果を確認します。

SP-FAX OCRレビュー画面 — 品番の自動補完、数量、送付先、サマリーが表示されている

OCRレビュー画面。左にFAX原本プレビュー、右にAIが読み取った構造化データ。品番欄では自社の商品マスタから候補がサジェストされる。

この画面がSP-FAX OCRの中核です。ポイントをいくつか説明します。

品番の自動マッチング

画面上部の「品番」欄に注目してください。FAXから読み取った品番を入力すると、自社の商品マスタから候補が表示されます。スクリーンショットでは「DEMO-A1001」と入力すると「DEMO-LIGHTアルファ H4 Hi/Lo 6000K」が候補に出ています。取引先がカタログと違う略称で品番を書いてきても、辞書機能で正しい品番に変換できます。

「数量(原文)」と「数量」の2カラム

数量欄が2つあるのは意図的な設計です。「数量(原文)」はFAXに書かれていた文字そのまま(例: 「6ヨウ」「3セット」)、「数量」はシステムに投入する数値(例: 6)。原文を残しておくことで、AIの変換が正しいかを担当者が一目で判断できます。

plainText(サマリー)

画面下部には、AIがFAX全体を読み取って要約したテキストが表示されます。「タイトル:注文書」「送信元:株式会社デモ商会」「商品情報:DEMO-A1001 ...」「備考:注文No.56020152; 納期 2026年3月2日」。構造化データに入りきらない情報(備考欄の特記事項など)もここで確認できます。

担当者がやることは、この画面でAIの読み取り結果をざっと確認して「承認」ボタンを押すだけです。修正が必要な場合はその場で直せます。全部を一から入力していた頃と比べると、1件あたりの処理時間は大幅に短縮されました。

基幹システムに自動で流す

OCRで構造化されたデータは、確認・承認後に基幹システムへ自動連携されます。

SP-FAX 外部連携設定画面 — freee販売・kintoneとの連携が設定されている

外部連携の設定画面。コネクターを追加するだけで、OCR結果を外部システムに自動送信できる。この例ではfreee販売とkintoneが設定されている。

SPREADの場合、自社の受注管理データベースに直接連携しています。OCRで読み取った品番・数量・納品先が、承認と同時に受注データとして基幹システムに投入されます。

SP-FAXでは、kintone、freee、Salesforceなどの外部サービスとの連携もコネクター設定だけで完了します。CSV出力にも対応しており、弥生販売・商奉行・PCA商魂といった会計ソフト向けのフォーマットもプリセットで用意しています。APIでの連携も可能なので、自社システムを持っている企業でも柔軟に組み込めます。

何が変わったか

以前(秒速FAX + 手入力)

  1. 秒速FAXで受信 → Gmailに転送
  2. 担当者がPDFを開いて目視確認
  3. 品番・数量・納品先を基幹システムに手入力
  4. 入力内容をダブルチェック
  5. 出荷指示を作成

FAXサービス月額 約41,000円 + 手入力の人件費

現在(SP-FAX OCR)

  1. FAX受信 → SP-FAXが自動でOCR処理
  2. 帳票タイプを自動分類(注文書/代品依頼/etc.)
  3. 担当者はレビュー画面で確認・承認
  4. 基幹システムに自動連携

FAXインフラ月額 約14,000〜18,000円(約60%削減)

一番大きな変化は、担当者の仕事が「入力」から「確認」に変わったことです。品番を一文字ずつ打ち込む作業がなくなり、AIが読み取った結果を見て問題なければ承認するだけ。修正が必要なケースでも、ゼロから入力するより圧倒的に速い。

帳票タイプの自動分類も地味に効いています。以前は注文書も代品依頼も不具合報告も、すべて同じFAX受信箱に入ってきて、担当者が中身を見て仕分けていました。今はOCRの段階で分類されるので、注文書だけをフィルタして処理する、代品依頼だけを品質管理チームに回す、といった運用ができます。

グループ会社でも利用開始

SPREADのグループ会社であるENDOでもSP-FAX OCRの利用を開始しています。SP-FAXはマルチテナント対応なので、テナントを追加するだけで別会社の環境を作れます。取引先も帳票フォーマットも違いますが、テンプレート不要のAI OCRなので、新しいテナントでも初日から使えます。

各テナントは独立した設定(連携先、辞書、CSVテンプレート)を持てるので、会社ごとの業務フローに合わせた運用が可能です。管理者はダッシュボードから全テナントの利用状況を一元的に把握できます。

なぜ自社で作ったのか

正直に言うと、最初は既存のFAX OCRサービスを使おうとしました。しかし、試してみると2つの壁がありました。

1つ目はテンプレート問題。数千社の取引先がそれぞれ独自のフォーマットで注文書を送ってくるのに、1社ずつテンプレートを登録するのは無理がありました。

2つ目は連携の柔軟性。OCRで読み取ったデータを自社の基幹システムに自動投入したいのに、既存サービスではCSVダウンロードして手動でインポート、という手順になりがちでした。

それなら自分たちで作ろう、ということで開発を始めたのがSP-FAXです。毎日自分たちで使いながら改善を繰り返しているので、実務で本当に必要な機能が入っています。品番の辞書機能、帳票の自動分類、基幹システムへの直接連携。どれも自分たちが「これがないと困る」と思ったものです。

まずは50枚無料でお試しください

テンプレート設定不要。アカウント登録後、すぐにFAX帳票のOCRを試せます。

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