基幹連携②

FAX OCRの承認画面で
マスター照合はどう働く?
SPREADの基幹コネクター実務

先に、利用者が承認画面で何を見るのかを説明します。

SP-FAXは、受信したFAX原稿とOCR結果を並べて表示します。マスター連携が設定されている場合は、送信元FAX番号から発注元の顧客を特定し、読み取った商品番号・JAN・商品名をその顧客に関係する商品マスターと照合します。

一致した項目は照合済みと分かり、OCR値とマスターが違う項目には候補が出ます。担当者は原稿を見ながら候補を採用するか、別の候補を選び、確認できたデータだけを承認します。

承認画面では、こう見えます

次は架空の注文を使った画面イメージです。実際の表示項目は帳票や接続するマスターによって変わります。

FAX OCR

注文書の確認・承認

確認待ち

原本FAX(PDF)

ご注文商品

A8O-123交換部品A2個
490123…交換部品B1個
AB-10補修用品3個

発注元

株式会社サンプル商店 (得意先 C-0012)

FAX番号一致

送信元FAX番号 03-1234-5678 → 顧客マスターに関連付け

OCR結果マスター照合

商品番号

A8O-123

候補1件

A80-123 交換部品A

この候補を採用

JAN

490123…

完全一致

B-2048 交換部品B

商品番号

AB-10

候補2件・要選択

AB-100 補修用品(小)
AB-101 補修用品(大)

採用した正式な得意先・商品コードで出力

確認して承認

一致した場合

FAX番号やJANなど、照合キーが一致したことを画面で確認できます。

OCR値が違う・曖昧な場合

候補を表示し、担当者が採用します。検索しただけでOCR値を黙って上書きしません。

一件のFAXが承認されるまで

  1. 1

    送信元を特定する

    送信元FAX番号を顧客マスターと照合し、会社名と得意先コードを承認画面へ表示します。

  2. 2

    原稿をOCRする

    注文日、商品番号、商品名、数量、納品先などを原稿から読み取り、編集可能な項目として表示します。

  3. 3

    商品マスターと照合する

    商品番号、JAN、商品名、取引先独自品番などを使い、基幹システムで登録可能な正式コードを探します。

  4. 4

    相違点だけ判断する

    完全一致は照合済みとして表示し、候補が1件なら採用候補を、複数なら選択肢を表示します。未登録・利用停止・古いマスターは警告し、自動確定しません。

  5. 5

    正式値で承認・出力する

    担当者が採用した顧客・商品・納品先コードを保存し、承認済みCSVまたは基幹コネクターへ渡します。

SPREADの実運用では、この考え方でOCR・マスター照合・人の承認・基幹登録をつないでいます。他社環境で同じ流れを使うには、利用中の商品・顧客マスターとの接続設定が必要です。

全体では、この流れになります

1

FAX受信

PDFを自動取込

2

AI OCR

帳票・明細を構造化

3

マスター照合

コードと候補を確認

4

確認・承認

不明点だけ補正

5

基幹登録

結果を追跡

担当者の仕事は、FAXを見ながら一から入力することではなく、OCRとマスター照合の結果を確認することへ変わります。完全自動化を装うのではなく、不確かな箇所を人に戻し、承認されたデータだけを次へ進めるのがポイントです。

3つのマスターが、それぞれ違う誤りを防ぐ

マスター 照合する情報 実務上の効果
商品商品コード、JAN、商品名、別名、入数似た品番や取引先独自の呼び方を、登録可能な商品候補へ寄せる
顧客得意先コード、会社名、電話・FAX番号表記揺れのある発注元を、基幹側の得意先へ結び付ける
納品先店舗コード、名称、住所、電話番号、得意先との関係発注元と届け先を混同せず、候補外の住所を確認対象にする

マスター連携は、紙の文字を魔法のように読みやすくする機能ではありません。OCRが出した候補を自社で使えるコードか、業務上あり得る組合せかという別の軸で検証する仕組みです。だから、モデル変更だけでは減らしにくい手直しにも効果があります。

承認直前に、最新マスターでもう一度確かめる

商品や取引先の状態は、OCRした時点から承認までに変わることがあります。販売停止、得意先別の扱い、納品先の廃止などがあるため、古い同期データだけを信じるのは安全ではありません。

SP-FAXのコネクター基盤は、接続先が対応していれば承認時に最新情報を参照し、未登録・曖昧・矛盾があるデータを自動確定させない方向で設計しています。APIがないシステムでは、定期CSVやファイル同期を使い、データの更新時刻が分かるようにします。

OCRの補正と、業務上必要な変換は分けて扱います

取引先固有品番から自社品番への変換、ケース・バラ換算、得意先別ルールなどは、OCRの誤読とは限りません。マッピングや業務ルールとして管理することで、AIモデルの再学習だけに依存しない運用にできます。

承認後も「送ったつもり」にしない

基幹連携では、通信がタイムアウトしたときに同じ受注をもう一度登録すると、二重受注になる危険があります。SP-FAXでは、同じOCR結果を識別するキーを使い、接続先の受注番号や処理結果を追跡できる設計を進めています。

APIから登録結果を確認できる場合、結果が確定してから完了とします。CSVをフォルダーへ置くだけの方式では、「配置済み」と「基幹登録成功」を分けます。接続方法ごとの限界を隠さず、確認できない状態を成功扱いしないことが重要です。

接続先に合わせた4つの方式

SP-FAXの外部連携設定画面

クラウドAPI

マスター検索、受注登録、登録結果の照会をHTTPSで行います。最新情報を確認しやすい方式です。

固定CSV

販売管理ソフトの取込仕様に合わせ、承認済みデータを所定の列・文字コードで出力します。

設定型CSV・Excel

顧客側で列、順序、固定値、集約単位を設定します。Accessや独自システムへの取込にも使えます。

ローカルAPI

顧客LAN内でのみ動く正式なAPIがある場合に、クラウドから直接DBを開かず安全な接続方法を個別設計します。

コネクターは「名前」より検証段階を明示する

SP-FAXでは接続先を増やしていますが、公開仕様からマッピングを作った段階と、実環境で受注登録まで確認した段階は同じではありません。記事や商談では、次のように区別します。

実運用・提供

SPREAD自社基幹への連携、kintone共通コネクターなど。顧客ごとの項目設定と受入確認は別途行います。

製品実装

freee、Salesforce、Webhook、設定型CSVなど。利用する機能、契約、接続先環境に応じて初期設定と確認が必要です。

技術検証中

弥生販売、PCA、奉行、販売王、SmileWorks、Business Central、NetSuiteなど。公開仕様に基づくプロファイルや契約試験を整備し、試用環境を得た製品から実機検証へ進めます。

調査・構想

その他のオンプレミス販売管理、業種特化パッケージ、顧客独自システム。正式なAPIや取込仕様を確認してから対応可否を判断します。

※ 対応状況は2026年8月3日時点です。製品名が掲載されていても、すべての版・契約・顧客設定で動作確認済みという意味ではありません。

最初から大規模連携にしなくてよい

既存システムにAPIがなくても、承認済みデータをまとめてCSVで出力し、現在の取込手順へ合わせるところから始められます。その後、商品・顧客・納品先マスターの同期、承認直前の再確認、受注登録APIへ段階的に広げられます。

大切なのは、OCRだけを先に導入して人が別画面へ転記し続ける状態をゴールにしないことです。現場の入力を確認へ変え、確認済みデータが既存システムへ安全に戻るところまでを、一緒に設計します。

関連ページ

現在の基幹・マスターに合わせて確認します

API、CSV、Access、独自システムを含め、現在の取込方法を変えすぎない接続方法から検討できます。

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